皆様、おはようございます。
常に女子フィギュア界のトップを走り続ける選手達を輩出してきた、
エテリ帝国の総帥、エテリ・トゥトベリーゼコーチ!彼女のコーチ哲学とも言えるとても興味深いインタビュー記事があったので、ご紹介させて頂くわね。
――「サンボ70」という施設から次々と有力選手が出てくる理由を教えてください。
エテリ・トゥトベリーゼ氏(以下、エテリ):よく、「サンボ70」について「一番良い選手ばかりが集まってくる」という表現をされることが多いですが、成功した選手がここにやって来ることがありません。彼女たちはここで“良い選手”に成長していくのです。
私は「絶望のどん底にいる」選手がやって来るのが一番嬉しい。そんな選手が大好きなんです。
他の場所で上手くいかなかった選手、つまり絶望している選手は、自分の人生を本気で変えたいという思いから、誰よりも真剣にトレーニングをしますからね。
――絶望のどん底にある選手が来るということですが、そのような選手たちに成功する力を与える秘訣はどこにあるのでしょうか?
エテリ:私でしょうかね(笑)。私たちは長年チームからトップ選手を輩出し続けてきました。
選手たちは、皆個性があり、一人として同じ人はいません。私たちは、それぞれの選手に合わせた指導をするようにしています。
たとえば、サーシャ(アレクサンドラ・トゥルソワ)は、記録を超えるのが大好き。普通の目標だと退屈してしまうので、より高い目標を持たせるようにしています。
選手の個性を壊して作り替えるようなことはしません。まだまだ彼女たちは子どもですから。
――どのような基準で受け入れる選手を決めているのですか?
エテリ:私は、やってきた選手は全員もれなくアイスリンクに連れて行きます。最初にピンと来なくて「私の選手になる子ではないわ」と感じたとしてもです。そして私は、リンクで滑る選手を見ながら、「この選手を愛することができるのか」「ちゃんと理解することができるのか」、と自問し、受け入れるかどうかを決めています。
――「GPファイナル」「ヨーロッパ選手権」と教え子が表彰台を独占しましたが、コーチとして満足されていますか?
エテリ:満足していません。誰一人としてしかるべき形で演技を完遂することができなかったからです。選手たちは、スケジュール的にも余裕がなく、皆あまり準備できていませんでしたから。
――それでも、金・銀・銅の全てがエテリ・コーチのチームの選手でした。コストルナヤ、トゥルソワ、シェルバコワ。一人一人の強さ、いいところを挙げてください。
エテリ:彼女たちは、それぞれ違う性質の選手です。サーシャ(アレクサンドラ・トゥルソワ)は男勝りな女の子で、自分の滑りに全く満足していません。
アリョーナ(アリョーナ・コストルナヤ)は、本当に女の子らしい女の子で、何かが上手くいかないと、泣いたり怒ったりします。
そして、アーニャ(アンナ・シェルバコワ)は、フィギュアスケートを心から愛しています。
これから彼女たちがどのように選手として成長し、変わっていくのかはわかりません。これから彼女たちは、「名声」というものに対峙しなければならないからです。これは良い成績をおさめてメダルを獲得した選手が往々にして犯してしまいがちな過ちです。
※テレ朝POSTより一部抜粋
ロシアでも優秀で選りすぐりの選手を集めて育成していると思っていたのが、
そもそもエテリ、サンボ70に対しての大きな勘違いをしていたわ。
絶望のどん底にいる選手がやってくることが一番嬉しいって、、、
でもそうよね、もうどん底にいるのなら、そこから意地でも上に這い上がっていくしかないものね。そこでエテリは、その選手の真の素質と自身との相性を見るのね。
ここでの目利きのセンスがエテリは非常に優れているんだと思ったわ。
――ザギトワに初めて会ったとき、どんな印象を受けましたか?
エテリ:まず私が感じたのは、良い選手になるための優れた“素材”をもっていたこと。そして、しっかりとトレーニングを受けていて、それが容姿にあらわれていたことでした。
また、彼女が私のことを理解しようとしていると感じました。だから彼女に対しては、すぐに「イエス」と言いました。
現時点で私たちは、彼女を「スペシャル」な存在だと考えています。
――当時彼女は何歳でしたか?
エテリ:はっきりは覚えていませんが、12才の頃だったと思います。
――ザギトワはどんな女の子でしたか?才能の片鱗を当初から感じましたか?
エテリ:私は、彼女が大きな才能を秘めていると感じたことはありませんでした。スケーティングの出来があまり良くなく、ジャンプもループジャンプくらいしかできていませんでした。
ただ、彼女の目が私に強く訴えかけていました。「助けてください」と。あのときの彼女は、 “絶望”した状態だったのです。
――つまり、特別な才能は特に見られなかった?
エテリ:美しく、体が柔らかいという点でしょうか。
選手のなかには、ポーズの仕方を手取り足取り教え込まなくてはならない選手がいれば、ただ単に何かのポーズをしているだけで美しい選手もいます。彼女には、「ポーズを感じる力」が備わっていました。
――ザギトワを指導するなかで、彼女を一旦追い出したことがあったということですが、その理由を教えてください。
エテリ:彼女はこのチームの一員になったのだから、「遅かれ早かれ私はスターになる」「安泰だわ」と日常生活に埋没し、落ち着いてしまった時期がありました。
そういう選手は、やがて自分のなかから最良のものを作り上げようと、自分自身に挑戦することを止めます。今この瞬間に自分ができる最大の努力をしなくなるのです。
選手自身が努力しなければ、何も成し遂げることはできません。ですから、何らかの警告をして変わらないようであれば、「はい、さようなら」となるわけです。
――あなたのトレーナーとしてのお仕事の哲学は何ですか?もっとも重要なモットーは?
エテリ:特にこれと言ったものはありません。ただひたすら、与えられた条件のなかで、その日をもっとも有益なものにするように努力しているだけです。「最大限に有益に過ごす」「その日できることのベストを尽くす」「明日に持ち越さない」。これが私の仕事の哲学です。
※テレ朝POSTより一部抜粋
日々の努力、今日しかできないことを最大限ベストを尽くす。
毎日のその積み重ねこそが、エテリガールズ達の強さであり、エテリの哲学そのものなのね!
あたしが思うに、
毎日最大限のパフォーマンスを練習で見せているからこそ、毎日が真剣勝負、後がない状況に追い込んでいるからこそ、
彼女達は本番でも強さを発揮しているんじゃないかって。
だからそれがたとえ大きな試合であっても、彼女達はブレないし、緊張しない強靭なハートを持っているのね。
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View Comments
おはようございます。
トップのコーチ3人のこっち向いてる写真…の下にエテリが「わたしですかね」のコメント!
そうよあなたよ〜(笑)
彼女の言ってること指導方法 その通りだと思うし究極のサドマゾですね。私もなるべくそうしようと心がけているのが「その日に出来るやるべきことはその日にやる」です。
私は選手じゃないけど明日でいいや…ってなるとなし崩しになってしまいそうで。だけどこれがなかなか大変ではあります。それが選手ならなおさら! エテリの顔見ると背筋がビシッとしてしまうのは私もう調教されてるのかしら?
>あじさい様
あじさいさん、おはようございます。
究極のサドマゾ笑 まさにその通りですね。
彼女の哲学って、わたしたちの生活においても取り入れるべきことが多いですよね。
ついつい明日に持ち越してしまうあたしです涙
やはりとても厳しい、正しい目を持っているコーチですね。目の行き届いた中で毎日気が抜けない努力の日々。甘えのない世界で選手達は日々切磋琢磨している・・強い訳です。
ザギに「大きな才能は見られなかった」と言ってるけれど、素材としての才能は見出している、そして今の環境から抜け出したい努力ではい上がりたい気持ちのある子か鋭い目を持って見ている気がします。
男子選手(名前忘れた)でエテリの門下生のインタビューを見たのですが、テスト期間中に努力して努力して三回転飛べるようにしたと言っていました。ひと月ほとだったか?短いオーディション期間で努力と成長具合も見せる。集まってくる子は心構えが違うなあと。
そして毎日上手い子達と競い合うように練習する訳で、なんか日本の状況とは違うなあとつくづく感じます。
>ジゼル様
毎日がもう世界フィギュアのような状態に追い込んで練習しているわけですから、
強いわけですよね。決して大舞台でも動じない。
大きな才能がなくても、そのダイヤの原石であるかどうかは見抜いていると
思いますので、そういう点でも優れた目を持つ類まれな指導者ですよね。
満足していません。誰一人としてしかるべき形で演技を完遂することができなかったからです…ヒエエ〜痺れますわ。表彰台に乗ったとか、世界ランキング一位とか、そんな誰かと比べた結果はどうでもよくて、エテリの脳内にある「しかるべき形の演技」をやってのけた者だけが評価に値するってことなんでしょうか。なんかもう、禅問答みたいな領域…。そんな環境でトレーニングを積んだ選手を評価するんだから、ジャッジの皆さんもエテリを見習って、1ミリもブレない姿勢で試合に臨んでほしいわね。
>めいと様
めいとさん、こんばんは。
エテリの中にある「しかるべき形の演技」一体どんな理想形なんでしょうね。
その時にはキスクラで満足な笑みを浮かべてくれるのでしょうか?
そしてジャッジ!まさにその通りです、1ミリのブレもあってはならないですね!