皆様、こんばんは!
全米フィギュアが終わり、ロシアメディアが優勝したネイサンのコーチである、ラファエル・アルトニアン氏へインタビュー。
ラファ氏の発言から、ネイサン陣営が目指すプログラム構成、そしてフィギュア競技への考え方などが見えてくるわよ。
早速、一緒に見ていきましょう。
ラファエル・アルトニアン氏「4回転ループと5回転トウループを跳ぶことはできる」
ーネイサンが平昌五輪のショートで失敗し、メダルを逃した後、あなたはショートプログラムで4ルッツと4フリップを同時に組み込むこと自滅行為に似ていると言いました。先日の全米選手権では、彼は両方のジャンプを行い、演技後半に4フリップのコンボを決めました。そのおかげで、彼は驚異的な合計ポイントである113.92点を獲得しました。
今回の全米選手権での課題のひとつでした。4フリップと4ルッツを同時に入れるのは本当に難しいのですが、平昌五輪前から準備を始めました。実際に、ネイサンは平昌でこのジャンプ構成を決定しました。私のコーチングの観点からは、これはもちろん間違いでした。
一方で、チェン、昔のエフゲニー・プルシェンコ、現在のサーシャ・トゥルソワなどの野心的なアスリートは、常に時代を先取りし、全世界が不可能だと考えることをしようとしていることをよく理解しています。
しかし平昌五輪でそのような実験を行うべきではありませんでした。ネイサンと私は、これら2つのジャンプをプログラムに自信を持って入れるまでに3年かかったと言えます。もちろん、これは私のコーチングの夢の限界ではありません。
ーあなたの考えるコーチングの限界とはー
申し訳ありませんが、お答えしません。
ーあなたは男子シングルでまだ実現されていない技術的な課題が最も実現可能だと思われますか?
この方向で考え始めるなら、もちろん選択肢があります。例えば、ルッツとフリップコンボをプログラム後半に移し、冒頭には…
ー冒頭には4回転アクセルですか?
いいえ。そこにはもっと簡単な4回転ジャンプを入れます。4アクセルは、4ループや5トウループとは違い、完全に難しさのステップが違います。ファンタスティックに聞こえますが、私が名前を挙げた4ループや5トーループは跳ぶことができます。ただ、これはとてもケガの危険性があります。
ー今シーズンの初めに、あなたは「チェンがみんなより強いというのは神話だ」と仰いました。今もその時と同じ考えですか?
正直、全然考えていません。私たちはただやるべき仕事をしているだけです。私たちは、さまざまなオプションを試して、プログラムの構成モデルを作ろうしています。昨年の10月末、スケートアメリカで、ネイサンはフリーを個人戦とチーム対抗戦で2回演技し、両方の回で異なるジャンプ構成で滑ったのです。
これで、5本クワド構成を備えた最適なバリエーションをまとめました。米国選手権ですべてがうまくいったわけではありませんが、チェンと競争するのは非常に難しいことはすでに明らかです。しかし、これまでのところ、彼は望ましい状態に達していない。全米選手権に関しては、ショートのパフォーマンスには満足していますが、フリーについては同じことが言えません。
※参照:russian.rt.com
まずラファ氏の発言から、ネイサン陣営が目指すジャンプ構成が見えてくるわね。
フリーではクワド5本構成か。
得点源となる基礎点の高いジャンプを後半に持ってくるのが理想なのね。
【全米フィギュアネイサンショート】
ただ、ISUが今季ジャンプの基礎点変更を行っていたら、果たしてネイサン陣営は演技後半に持ってきていたのかしら!?
体力が消耗してくる後半にあえて、リスクの高いことはしないはず。
ISUがジャンプ基礎点変更やっぱや~めたの経緯
ISUが2020年5月11日にジャンプ新採点基準を発表。
・4ループ10.50→11.00(+0.50)
・4ルッツ11.50→11.00(▲0.50)
・4フリップ11.00
・3ルッツ5.90→5.30(▲0.60)
・3フリップ5.30
※4ループ=4ルッツ=4フリップ、3ルッツ=3フリップ
2020年6月18日に新型コロナウイルスの感染拡大によりリンクや選手の練習の再開が遅れていることを理由に、適用を保留発表。
表向きはなんとでも言えるわよね。
どこから圧力かかってんのか知らないけどさ、大半の選手達やコーチはISUのコロコロ変わるルールに振り回されて大変よね。
ラファ氏の発言からも、全米でのネイサンの演技を見てもわかるように、ネイサン陣営はあくまでジャンプ至上主義。
ジャンプでいかにスコアを上積みし、「競技で勝つ」ことに特化している。
いろいろな考え方、物の見方があるから、そこに対しての意見は自由であって良いはず。
高難度ジャンプを多く決めることに、素晴らしいと価値を見出す方がいるように、
あたしにはネイサンの演技が「まるでジャンプを決めるだけの為の演技」にしか見えないのよね。
会場音だけの演技動画を見ると、クロスオーバーが多く(氷を漕ぐストロークの際、互いに足を交差させて踏み出すもの)、
氷を掻く音がすごく気になったのよ。
ジャンプに向けた長い助走、上半身だけの動きが目立つメリハリの感じられないステップ(ここにジャッジ全員満点て一体何基準?)、
ラファの教え子であるマライアにも言えることだけど、演技全体のスカ感が否めないのよね。
だからと言って、ラファ陣営が間違っている!と批判するのではなく、
むしろその演技を正当に評価できていないジャッジに対して、不満があるのよ。
【全米フィギュアショートジェイ子プロトコル】
ジェイ子の演技構成点が全体の1位だったのが唯一の救いだったけど、
彼のスコアも冷静に見たら出過ぎ。
でも、こうでもしないとネイサン比で考えたら、10点満点オンパレードも仕方がないのでは?と正直思ってしまったわ。
ジェイ子は確かにクワドがなかったけれど、彼の演技全体の「隙」がないプログラムにあたしはすっかり見入ってしまったのよ。
繋ぎ、そしてジャンプ前後の動作の工夫はもちろんのこと、演技への曲の解釈、
クロスオーバーがほとんどなく、常に「音」を体現しようとしていた姿勢が素晴らしかったわ。
ジャンプの難度と共に、全体の演技構成点まで連動して高くなっていくのはおかしいと思うし、本当にこのままではフィギュアスケートがただのジャンプ大会になってしまうわね。
旧採点で芸術点を取り入れていた時の方がまだマシに思えるのはあたしだけかしら?
ISUは北京五輪後に、ショートとフリーでは別々に表彰したい考えを示していたけれど、
フィギュアスケートって、やっぱり演技全体のトータルバランスが大事なのよ。
スパイラルを廃止した時点で、終わったわISU!と思っていたけれど、今度ロシアのチーム対抗戦でジャンプ大会やるでしょ?
もうジャンプ部門はここに集めて、勝手にどっかの国でやって頂戴って思っちゃうのよね。
こうまでルールをコロコロ変えてきても、フィギュアが北米やヨーロッパで人気が出ないことを、
ISUの役人たちの堅物の頭ん中できちんと理解できているのかしら?
【羽生結弦関連書籍】
1月29日発売
フィギュア・スケーターズ21【表紙:羽生結弦選手】
KISS & CRY 氷上の美しき勇者たち(表紙・巻頭特集/羽生結弦選手)
☆合わせてお読み頂きたい☆
男子ばかりを追っていたから、女子の結果をここで記しておくわね。
やはりロシアと比較してしまうと、日本女子の次世代は元気がないような気がするのよね。
頑張ってほしいわよね。
最後までお読み頂きありがとうございます。
View Comments
先月の全日本男子でも気になったんですけど、羽生くんは完全に置いておいてと。
スカスカ感が目立つ大会の印象でした。
佐藤駿くんは繋ぎは頑張ったけれどもスケーティングがまだまだですし。
スカプロが続くと退屈するんですよ。クロスばかりの。
ネイサン優遇改悪ルールの影響をひしひしと感じた時でした。
今季GPSから全日本を見て、羽生くんが引退したらフィギュアのシニア競技からは
距離を置くことに8割方決意しています。
日本のスケ連、USFSA、ISUには怒り心頭な事もあってこれらの団体を
懲らしめてやろうという意味もあります。
>ゆきっちょ様
ゆきっちょさん、こんにちは。
クロスばかりですと、演技全体のスカ感は否めないですね。
いかにトータルのバランスを取りながら、ジャンプを跳ぶことだけが優劣を決めるという
今のルールやメディアの報道にも疑問ですね。そう視聴者に植え付けてきたのですから。
オネエ様、こんばんわ。
フィギュアスケートってそもそもどういう競技?て考えれば答えはひとつですよね。ジャンプに特化…ん〜、そのジャンプを見てて思ったんですけどネイサン、ピークを折り返しはじめてませんか?なんか全体的に精彩を欠いてるというか…。だとしたらその彼が更に一年後まで、このマックスの構成、あるいはこれ以上の構成をノーミスし続けることなんてできるのでしょうか?今回の全米ネイサンと全日本ゆづの得点差はわずか2〜3点です。注目すべきはネイサンはほぼマックス構成で全米の激甘採点、それに対しゆづはまだ余裕のある構成で全日本の塩辛採点ということ。つまりネイサンはあの全米記者が言うように、ゆづに確実に勝利するためには持てる全ての武器を使い、ノーミスするしかないのです。ますますスカプロになるわけです。でも、もし世界選手権が開催されるとしたら、ゆづ、復活したコリヤダや表現力を高めてきたボーヤン、そしてジェイソンらの中にネイサンの演技が入れば、スカスカ加減がガッツリ浮き彫りになって、さすがにまともなPCSを付けざるおえなくなるんじゃないでしょうか。いえ、そうなって欲しいです。ジャンプの質もしかりです。コリヤダの方が明らかに質がいいですよね。まともなジャッジングに戻る最後のチャンスかもしれません。
>ちょび助様
ちょび助さん、こんにちは。
今の状況下においての世界フィギュア開催は反対ですが、
一度五輪前に各国のトップ選手に対して同一大会でどれぐらいのスコアが
与えらるのかは見たいと思っています。ナショナルばかり見ていて、こちらも感覚がおかしくなっていますから。
オネエたま、こんばんはー
俺も旧採点の芸術点のほうが良かったのでは?と思いますよ。
今の5コンポーネンツはよくわかんない。。
そもそもなんでSkating Skillsって演技構成点なの?技術的要素じゃないの?という疑問もw。
まあとにかく今の採点は技術偏重な気がしますね。
もっとバランス取って欲しい。
技術と芸術どちらかだけでは成り立たない、それがフィギュアスケートだと思います!
>セッキー様
そうなんです!スケーティングスキルって演技構成点でなく、技術的な要素ですよね。
クワド決めれば、ここが上昇するっていうものになってません!?
例えば漕ぎ方だったり、いかに氷に優しくという部分も含めてのスキルのようなものだったらわかるのですが。
ラファエルの言葉の節々からネイサンに対する愛情と言うか、自分の教え子を守ろうとする思いが伝わりますね!
が、しかし、それでいいの?
アメリカのエースがリンクの端から一生懸命加速してフェンスを意識しながらジャンプして、
「ハイ!4回転回りました~!」
で終わる一連の動きに惹き付ける魅力って感じないんですよね~
特に羽生結弦のステップからのジャンプ!の後の流れを一つのストーリーにした演技を見てる日本のファンは、ジャンプ大会はね…
アメリカのフィギュア会は、更に衰退への道を進んでないかい?
松行理乃ちゃん♪ いいと思いますよ!
前にも書きますたが、腕のしなやかな使い方が綺麗でスタイリッシュ!で自分は推したいと思います。
まだ若いんだし、長い温かい目であげましょうよ♪
もうオネエ様(お姉様)方は若い娘に厳しいんだから(笑)
えっ!? 燦太は若い娘見るとデレデレするって!?
ち、違うって(汗) ボ、ボクはただ将来性のある若い力をだね、もっとこう、あれだ…、なんと言うか…、
>燦太様
燦太さん、違うのよ。
なんか日本女子の若手にはパンチのあるオンナがいないのよ!
そこが一番のネック!こんちくしょうって金属バット振り回すぐらいのハーディング(実際は男に依頼しましたし、こんなことあってはいけません!)
のド根性まるだしの強い選手が出てきてほしいのよ。
この大会に横井ゆは菜の妹は出てなかったんですか?
彼女ならハンマーでリンクの氷を叩き割りそうですが…?
(ご本人及び関係者の方の目に入ったらごめんなさい(汗))
あっ!妹も出てました!
5位に入ってましたね!
違った!
SPは首位だったんですね!
総合で3位と頑張りました!
しかし、練習で成功率0%の3Aを試合で跳ぶのは無謀としか…
>燦太様
練習で一度も成功していないのであれば、無謀ですよね。
怪我でもしたら大変です。
>燦太様
妹出てましたよ~!
横井きな結、珍しい下の名前ですよね。
オネエさま
ラファの風呂敷は変わらずですね。
私は昔はフィギュアの男子は、ファンではなかったの。
何故ならクロスオーバーばかりでジャンプ飛ぶだけだったから。もちろんロビンカズンズとか、美しい選手もいましたけど。
ネイサンは、踊れる人でもあったのに、今はジャンプだけ。しかもそのジャンプの着氷の流れがないのですよね。
惑星ハニューの住人は、羽生くんだけですけど、フィギュアスケートは佐野さんも言われてるように美しくなければね。
羽生くんの後ろも、もうちょっと頑張って欲しいです。
コロナの影響もあるかも知れませんが、ロシア女子のように、良くも悪くも下から育っていってる感が世界的に男子はないかなー?
とにかく、バトン爺が言ってる雑巾絞るようなジャンプに、加点もりもりつけて、ついでに演技構成点まで付けてるようなISUの方針には、嫌気がさします。
>杉姐様
日本の若手、ちょっと元気がないですよね。
頑張っているのは伝わってくるのですが、これからの日本スケート界が心配になります。
アメリカの跳んでいるだけのラファの教え子達は、もっと踊れる才能を持っているのに、
それが活かせていないのが残念ですね。
ジャンプを決めるだけの演技‥‥オネエさまお書きになったようにそう思います。ラファ爺とそのつもりで北京金を目指しているだろうし、ショート2、フリーで5クワドコンボ込みでMAXのBV計算してねぇ。
ただスピンやスケーティングに優れた選手はもっといるからクワドでPCS押し上げってジャッジはやっぱ変なんですよ。
でも凄いと思いますよ!フリーで5クワド跳ぶなんて⁉︎でも心にはちっとも残らないんですよね^^;
羽生くんとは創る世界が違いますから比較する必然性もないんですが、世界中のフィギュアスケートで4も5もクワド入れてプロ成立させてるのってこの2人だけでしょ、そこはお互いが試合の場で気持ちよく挨拶してる姿を観てアスリートいいな(^.^)って思います。
ただ方向性があまりにも違い過ぎで、ジャンプ一辺倒じゃつまらんです。
ジェイ子やコリヤダの方が見応えもあるし、こないだのローマン君とかね。
天と地とを観るにつけ、スケーティング技術、ジャンプ、身体性、音楽表現、美しさ、作品への想い揃ってこその競技だと、ホント素晴らしい感涙に自分のサエない日常が浄化されます♡
何か心に残る、若いうちはなんでもいいです滅茶苦茶綺麗、ぶっ飛ばしてる、倒れるほど一生懸命、意味わかんないけど自信満々、何かさらけ出してくれたら観る方は感じますよね!
おばちゃん様
先日はすいませんでした。
“あ”を入れたつもりはなかったのですが、「おば“あ”ちゃん」と予測変換で入力してしまいました(汗)
おばちゃん様の場合は特に気を付けていたんですが、うっかりと…、
申し訳ありませんでしたm(_ _)m
のりえさん お気遣いありがとうございますぅ
むしろ様も廃止して、ヘイ!おばちゃん!
な感じで(^。^)v
燦太さんのスケ評も時々登場する乙部のりえも、オネエさまのブログの楽しみですよ~コレからもよろしくね!
>おばちゃん様
おばちゃんさん、こんばんは。
好みにもよる部分はありますが、フィギュア競技がジャンプ一辺倒であってほしくはないですよね。
またこのふたりをスコア比較している記事が出ていますけど、
ホントナンセンスだなって思います!
ジャンプだけに頼るは諸刃の剣。 なんだか、苦し紛れに5T発言まで・・・? 今回羽生は、危なげなくいとも簡単に3種のジャンプをきめました。まるで呼吸のように!フリーにいたっては、ヤマカイさんのおっしゃるように着氷の次の動作までがジャンプの一部でしたよね。まさに、羽生結弦のめざす理想に到達したかのように私にはみえました。 方向性は間違ってなかったことを立派に証明しましたね。ネイサンはもう、クワドジャンプの種類や数が頼みの綱? でも、羽生に4Aが、加わったらどうでしょうか。 今回ネイサンのジャンプは 着氷がへん? 足は、大丈夫かしら。ちょび助様のネイサンピーク説 私も感じました。 アメリカネイサン陣営の失策は、度重なる足首の負傷を抱える羽生結弦にとってジャンプがリスクになると考えて ネイサンをジャンパーに特化し、ISU やジャッジにも有利なルール含めて根回ししたことだと思うわ。 でもかえって これは誠実なネイサンを追い詰めませんかね。 ラファは、4Aの難しさとリスクをことさら強調し牽制しますが。 おねえさま 今まさに、私には ながいジェットコースターの旅を終え まるでエベレストの頂を間近にあおぎながら最後の登頂の準備と機会を待っている彼の姿が見えるんです。 絶対的孤独の中で無敵になってしまった羽生結弦が。 なーんて、もう 私の心も、ゆれまくりますが。でも信じています! ラファちゃま勝手に言っとれ!
>リン様
5Tってまだ現実的ではないですよね?
ISUですらジャンプの基礎点に入れてませんから、
いつかは跳ぶ選手が出てくるのかもしれないですが、その時は完全にジャンプ大会が
独立して出来上がっていそうな気もします。