女子フリー最終滑走のワリエワが、普段では考えられないようなミスを連発し、リンクサイトに戻る彼女にエテリが掛けた言葉とは?
ズーリン氏はバッハ宛に、実績のあるコーチに口を出すな、禁止薬物を合法化しろと自分達のドーピング常用を正当化するように進言。
エテリはこれに賛同し、私たちのパフォーマンスの評価に困惑していると。
「なぜ諦めたのか説明しなさい!戦うのをなぜやめたの?3Aの後にもう諦めたでしょう?なぜ?」
女子フリーについてお話した時に、今までのワリエワからは考えられないような演技に言葉を失ってしまい、あえて一切触れなかったけれど、
エテリ氏が、リンクサイドに引き上げてきた彼女にかけた第一声が、演技に対する厳しい指摘。
これに対して、あまりにも鬼、なぜハグをしないのか?厳しすぎるといった声が、
ロシア国内でもエテリに対する指導には厳しい批判が多く寄せられているのよ。
そしてIOC会長のトーマス・バッハ氏も。
そんな中で、シニカツのコーチでもあるズーリン氏が、自身のインスタでバッハ氏宛てにこんな内容を、、、
ズーリン氏がバッハIOC会長に公開書簡を書く
まず一つ目。ロシアのエテリ・トゥトベリーゼコーチが、教え子のカミラ・ワリエワ選手のフリーの後にとった行動に対するあなたの反応に、私はとても驚きを覚えました。あなたは、カミラが滑っている間、ずっと心配していたと書いていますが、コーチの反応はとても厳しいものでした。エテリコーチは2014年以降、6人のオリンピックメダリストと4人のオリンピックチャンピオンを育てており、おそらく演技後の生徒への言葉かけも心得ているのでしょう。
今年の2月8日からのコーチと選手に対するあなたの態度を分析していただけませんか。男性の立場からすると、あなたは残酷で間違った振る舞いをしたと私は思っています。少なくとも、著名なコーチにマナーを教えるのは、あなたのすることではありません。
二つ目。私はWADAの方針を是非とも変えたいと思っています。この制度自体は間違いなく正しく、論理的です。しかし、アスリートの出場停止に使われた薬物が何であったかを思い出してください。以前はアナボリックステロイド、エリスロポエチン、フロセミド、血液ドーピングでした。これらの薬物は、持久力や体力の増強に役立つことは間違いなかったのに。
私のフィギュアスケーター、エカテリーナ・ボブロワは、体内のメルドニウムの痕跡のために世界選手権を奪われ、6ヶ月後、CASによって完全に無罪となった。しかし、重要なのは、メルドニウムの痕跡は一生体内で留まる可能性があるということだ。この薬物は全く調査されておらず、結果が出るわけでもないのに、最も危険な4列目の禁止リストに載せられてしまったのです
この「最も危険な」薬物によって、多くのロシア人アスリートが苦しんでいるのです。なぜロシアのアスリートなのか?欧米では人気がないからです。ドーピングではありません。でっち上げの話です。サッカーやアイスホッケーの若い選手が、トレーニング中に高負荷による心臓障害で何人亡くなっているか知っていますか?どうやら違うようだ…
あなたはWADAに心筋を維持する薬を開発するよう助言すべきです。哀れなアスリートをこんな無意味なことの渦中に巻き込むべきではありません。円卓会議を開いて、全体を議論して、本当に強力な薬物を禁止薬物から外すという賢い決定を下すべきだ。
第三に 私にとっては9回連続のオリンピックで、休日どころか戦争に行ったような気分で、ひどい食事で、リンクまで車で1時間半のホテルに泊まりました。もちろん、コロナウイルスが大きく寄与したことは理解していますが、会長であるあなたは、最善を尽くして、以前のような祝賀と幸福の雰囲気を取り戻そうとすることができたはずで、すでに隅々まで破壊されていたロシアの少女とコーチの気分に、あなたは大きく入り込んだように私には思えます。あなたはそれ以外にすることがあると思います」
※参照:Match TV
要約すると、
・五輪で多大な実績を残してきている著名なコーチの指導方針に口を出すな
・ロシアでは当たり前な薬物を「違法」として取り締まるなら、同じ効果があり合法薬物を開発してくれ
・(話をすり替えて)IOCが手配した宿泊先や食事が酷すぎるから改善してくれ
ズーリン氏の言葉に改めて、ロシアという国はドーピングが常用され、なんの罪悪感もないという認識なんだと。
「最も危険な」薬物によって、多くのロシア人アスリートが苦しんでいるのです。
は!?その薬物に手を染めない選択肢は最初からないの!?
そして選手が五輪という舞台で世間からのバッシングを受けようが、金メダルをもたらしたコーチの指導に口を挟むな、
結果がすべてというメダルだけへの執着を感じずにはいられないわ。
自らの過ちを正当化、というよりもロシア基準をIOCで認めろと、呆れて言葉も出てこないわ、、、
これに対し、エテリがすぐさま反応しているのよ。
エテリ氏「バッハ氏の私たちの仕事に対する評価にまだ困惑している」
エテリ・トゥトベリーゼコーチは、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長の言葉を受けて、アレクサンダー・ズーリン氏に感謝の意を表しました。
バッハは金曜日の記者会見で、ワリエワに起こったことの後、エテリはオリンピックスポーツに居場所があるのかと問われ、IOCがワリエワの調査を依頼したと述べ、必要であれば「非常に厳しい」制裁が適用される可能性があると述べた。バッハはまた、フィギュアスケーターの側近を信頼していないとも言った。
この点について、ズーリンは自身のインスタグラムでIOCのトップに公開書簡を書き、エテリを支持し、バッハを批判している。
「応援の言葉をいただき、とても感謝しています。バッハ氏の私たちのパフォーマンスに対する評価には、いまだに困惑している」
とエテリは投稿のコメントに書いている。
※参照:Match TV
当たり前のことだけど、ズーリン氏の言葉をエテリは読んでいるということよね。
エテリ「私たちのパフォーマンスに対する評価には、いまだに困惑している」
この言葉にこそ、今のロシアフィギュア界の問題点が凝縮されているなと痛感したわ。
「パフォーマンス」という言葉の中には教え子への指導だけでなく、禁止薬物も含まれているということ。
世間からのバッシングを受けながらも、周りの大人達の欲望の渦に巻き込まれて、ひとりリンクでメディアの見世物となった
ワリエワを守ることよりも、自らの名声が一番大事なのよ。
あたしは今回の五輪でも、金・銀メダルと結果を残した。あたしのやり方の一体どこが間違っているのよ?
そしてエテリの指導方針に批判がいくことに焦点が集まりがちだけど、
ロシアのドーピング問題をIOC、そしてWADAは徹底的に追及していくべき。
今回後味の悪さを残したフィギュア競技。しかしこれは氷山の一角に過ぎないのだから、、、
☆合わせてお読み頂きたい
怒涛の名プログラムが来た!羽生結弦がエキシビジョンに向け全9曲も! - 羽生結弦好きのオネエが語るフィギュアスケート |
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
いつもブログランキングバナーでの応援クリック、心から感謝しております。
日々の励みになっています!
View Comments
ズーリンとエテリの発言….。選手を「駒」としか見ておらず、健康や将来のことなんて歯牙にも掛けない物言いですね。エテリチームの選手たちが可哀想です。トゥルソワやシェルバコワも彼女たちの駒に過ぎなかったのでしょうか。金メダルを取った時のシェルバコワの複雑そうな表情。トゥルソワの「あなたは全て知っていたんでしょう」という発言。選手たちも薄々そのことに気づいていたのではないでしょうか。
>Yuki様
Yukiさん、こんにちは!
トゥルソワの「あなたは全て知っていたんでしょう」が気になりますが、
真意は彼女にしかわからず。結果に対する悔しさから突発的に出た言葉なのか、あるいは?
やっばりエテリは確信犯ですね。
これでワリエワだけでなくエテリ組の全ての選手か、過去にさかのぼってグレーになりました。
まだ現役の有望選手を多数抱えているだろうから、どう反撃してくるか?
国家挙げて抵抗してくるのか、見ものです。
>玲子様
夜の記事で少しお話ししますが、ISUがメディア向けに年齢制限の引き上げを17歳に
すると議論前に異例の発表をしました。
それでも問題の根本解決にはならないでしょうね。
オネエ様こんにちは!
ワリエワは順位が4位になったとき「これでメダルセレモニー行える」と発言したそうです。
彼女が故意で失敗を演じたのか単に集中力が切れたのかはわかりません。
ドーピング自体はダメですし、陽性が出た段階で出場停止にすべきだと思いました。
ロシアという反論が許されなさそうな環境で自ら出場辞退を言うことも難しいでしょう。
願わくば、彼女が今後穏やかに過ごせることを祈ります。
>ボール様
ボールさん、こんにちは。
これでメダルセレモニーができるでしょう!と発言したのは知っており、
演技中も様々なことがよぎったのかもしれないですね。
周りの大人達がなぜあの場に送り出したのか、未だに疑問しかないです。
それでも エテリ組がいなければ 女子フィギュアは長い低迷の時代を迎えていたはず
リプニツカヤ以降の発展には 目を見張るものがありますから。
ただし薬は駄目ですよ。
激しく同意…!ロシア女子がいなければ女子フィギュアは見てません。
同じく羽生さんががいなくなるとどうでも良くなります。
>kk様
kkさん、こんにちは。
そうですね、わたしもジュニアからずっとエテリ組を追ってきましたので、
純粋にフィギュア競技を五輪でも楽しみたかったというのが本音です。
オネエさま、
ズーリン、こんなこと発信していたのですね。
教えて頂きありがとうございます!
ズーリンの主張で分かること。ロシア国内で薬物の認識が全く違うということ。薬物を投与するのは、アスリートの体を負荷の掛かるトレーニングから守るため、という事ですね。この認識のせいでロシアはROCとしてオリンピック参加しているのですが、未だにそこからの反省も脱却もないことを宣言しましたね。
墓穴ほってませんか、、、?
ワリエワのおじいちゃんが登場したことで、トリメタジジンが体内に入っている(服用した)ことは認めてるし。
優遇されてきたことに慣れてしまって、本音を隠しきれなくなっていると思いました。
>パフェ食べたい様
ロシアメディアの情報を細かく見ていますが、
どれも擁護するものばかり。ブログで書けば書くほど、批判ばかり!と苦言が来ますし、
わたしとしては現実の問題点をソースに基づいたものを伝えているだけなのですが。
オネエさま、
フィギュア界の暗部を記事にあげ続けてくださりありがとうございます。とてもエネルギーのいることだと思います。
こちらのコメント欄にドーピング容認の意見を散見することに驚いております。
ロシアが女子競技の発展に貢献したことを容認の根拠にあげてあるように受け取りましたが、私はこの論調には反対です!
少女たちに禁止薬物を与えてはトレーニングさせること、これは児童虐待です。薬(ロシア風に言えばサプリメント)を使って、人間が耐えうる以上のトレーニングを課した結果、若いアスリート達の心と体が壊れています。
リプニツカヤは拒食症まで陥り、イスラエル?の病院に入院してた、背中を痛めたメドベージェワは左?右?(失念)へ体をひねることが出来なくなっている、サンボ現役の選手たちは次々と骨折。
点と点として浮かび上がってきた数々の悲劇たちが1つの線になろうとしています。この線をスポーツ発展を賛美する方向に向かわせてはならないと思います。
フィギュアの未来が高難度の技ありきになるのであれば、この議論はもっと尽くされて欲しい。私としてはこの負の連鎖を止めるには、ドーピング問題とジャッジングシステムをセットで再考するしかないと思うのです。
>パフェ食べたい様
パフェ食べたいさん、優しいお気遣いありがとうございます。
いろいろな考え方があると思いますが、
わたしもどんな理由であれドーピングは到底容認できないです。
ただワリエワの周りの大人達が、彼女を追い込んだことは、冷静にソースに基づいてこれからも発信していきたいです。
ドーピングだけでなく 不可解採点 回転不足みすごし 下で回る云々 特にシリアスエラー発動検証も同時にしてほしいです。 おねえさま オメガってやはりおっしゃるとおりでしたね。
アメリカ側OBが 今ロシアっ娘の回転不足について指摘してますが オマユウ?男子のことはスルーで? もう国家間闘争にしかみえないです? 自分たちのことはスルーなのね。
ドーピングは、危険なことです。弁解の余地はありません。
アメリカは、自国や味方の選手の利益や人権はしっかりとまもりますよね。 どんな手を使ってでも。
それ以外の選手は蹂躙しても構わないって人道主義です。ニュースウィークの米国人記者の記事には 羽生さんをほめながら 4A認定については記述無しで、ドミトリエフが、一番近いだのなんだのやたら強調 非常にムカつく内容に見えるのは、私のネガティブ思考のせいかもしれませんが…。
>リン様
ドーピング問題にすっかり採点問題が隠れてしまいましたね。
アメリカが自国の選手には全く言及しないのも、なんだか。
えっ………
二度読み、三度読みしましたが、あっもう、前提が違いすぎて話が通じないんだとしか…。
子どもに圧かけて死んじゃうかもしれない薬物投与するのは虐待で人権侵害だと説いても無駄なんでしょうね…。
今回ロシアの大御所たちで薬ダメ絶対!厳密にサンボ調査すべしと言った人はいなかったですね。
そこに言及すると、国内では「明日は我が身」なのでしょう。
ワリエワの表情はどんどん病み、デュダコフはちょっと痩せたのに、エテリはシャララーっと通常運転していて驚きましたが、こんなコメントまで出せるのはすごいとしか…。
現時点で、ワールド誰出すつもりなのか聞いてみたいもんです。
>みゃほ様
みゃほさん、こんにちは。
ワールドどうなりますかね?
オミクロンの状況も気になりますね。ジュニアはブリガリアの感染拡大で早々と延期になりましたが、
シニアはまたギリギリまで引っ張りそうな気がします。
オネエさま
ワールド開催なら、多分まだ調査中…となるとまたこの話!と思うとゲンナリですね。
私は露女子を推しておりましたが、この期間はオネエさまのブログが癒しでした。
「ワリエワが美しく可哀想だった」ことと「彼女を薬漬けの晒し者にした体制をお見逃しにする」ことは全然別の問題ですから。
ドーピング解禁論(ある意味フェア)も各所でありますが、それをすると「投薬を支える経済力と技術力 × いかに命を軽視して薬飲めるか」の勝負になる。
となると人権軽視の国は特に、子どもの死が増えるでしょう。体できてないうちに仕込むのが効果的だからです。どう転んでも、非人道的な結果になる。
何が言いたいかって、オネエさまの発信はありがたかったですし、これからも拝読したいなと思っております!
オネエ様、こんにちは。
ワリエワのドーピング問題…。色んな情報が、怒涛のように出てきていますね。エテリ氏はもちろんのこと、ズーリン氏も全力で庇っていますが、もう、ロシアは、今のままの体制を今後も貫くのは無理だと思います。ロシアというお国柄、ではすまされない。薬物常用も、指導法も、国際基準で見ると、とてもじゃないですが健全とは言えません。
オネエ様の仰るように、IOCとWADAは、ロシアのドーピング問題を徹底的に追及していくべきだと思います。そうでないと、今後も心身ともに守られない選手が増えていくだけです…。選手たちは、政治の駒じゃない。
そして、これは余談なのですが、女子シングルフリーが終わった一時間後くらい?に、YouTubeのオリチャンが、シェルバコワのフリー動画をアップしたんですが、そのあとすぐに削除してしまったんです。これは…もしかして、シェルバコワも何か疑われているとか…?それともエテリ氏やその周辺関係が、今は疑われていて、今は安易にロシアのスケーター動画をアップしないようにしたのでしょうか…?
オリチャンは、オリンピックが始まる前は羽生選手関係の動画を次々とアップされていたのですが、その後は(上記に書いたシェルバコワ以外には)フィギュア関係の動画を一切アップされなくなってしまいました。
これは、私の想像というか、願望?かもですが…オリチャンの中の方も、羽生選手に三連覇してほしかった、羽生選手の演技動画をアップしたかったんじゃないかな…と勝手に思っています。平昌の後、羽生選手の動画は山のようにアップされてらっしゃいましたから。フリー、ショート、今までのオリンピックの演技のまとめ、彼の生い立ち動画などなど。
オリンピックチャンネルの中の人も、羽生選手という、正しく努力し、国籍を越えて世界中から愛される選手を愛してくださっているんじゃないかな…と思うのです。それは、今でも…。
オネエ様、すいません、とても長くなってしまいました。
どうか、この素晴らしいスポーツが、正しい方向へ進むことを願うばかりです…。
>ゆきな様
ゆきなさん、こんにちは。
オリチャンにそのような動きがあったとは知りませんでした。
今回のドーピング問題もどこまでWADAが調査していくのかですよね汗
お顔のおなおしもエキセントリックじゃなくなってきてるし、
サプリだってどんどん進化している時代なんだから、
いっそのことドーピング部門をつくればいいんじゃないかしら?
あたしは、目標を明確端的に定めたエテリは嫌いじゃないわ。
選手はたまったもんじゃないだろうなというのも理解できるけど、
それでもこのコーチにつくベネフィットは、子供といえどもわかってるはずよ。
>Tokyumay様
コーチにつくベネフィットは、ここ数年の移籍を見ても明らかですね。
ドーピング部門作ったら、それこそフィギュアが崩壊してしまいますね。
オネエ様
えーっと、これは、ロシアではもう前提からドーピングありき、ってことで…
心筋云々も科学的トレーニングとかメディカルチェックとかじゃなくてまずオクスリ?
合法のお薬で身体壊してでもエキシ出たい、という方との色んな意味での違いに頭クラクラしてきました。
>imuy様
imuyさん、こんにちは。
ロシアの中では、もうサプリメントという感覚なんでしょうね。