世界国別対抗戦を明日に控え、羽生結弦が公式練習に参加したわよ。
公式練習後のオンラインインタビュー全文。なぜ彼が隔離期間を終えて、大阪の地にやってきたのか?出場の「意味」を語ったわよ。
そして公式練習ドキュメントも公開されたので、明日の競技スケジュールと合わせて、一緒に見ていきましょう。
なんて強い決意!羽生結弦インタビューで出場の意味とは?世界国別対抗戦
羽生結弦公式練習後のオンラインインタビューがあり、ぜひ皆様とここで彼がどのような想いで大阪へ来たのかについて共有したいので、
全文をご紹介させて頂くわね。
その前にまず、一番あたしがホッと安堵したこと。世界フィギュアストックホルムから帰国し、14日間の隔離を終えて、無事であったということ。
4回転半よりも「みんなの力になれる演技を」
――初練習を終えての感覚は。
「えーと…。えー、14日間の隔離を終えて、ちょうど今日やっと隔離が終わった状態なので。まあ、自分のけじめとしてしっかりと隔離期間を終えた上で来ました。なので、今日ホントに着いたばかりでまあ若干、足がフワフワしているところもあったと思いますが、それを含めて、いい調整ができたかなというふうに思っています」
――国別はどんな位置づけで、どういう大会にしたいか。
「えーと。もちろん、この大阪という地が今、大変なことになっているのは僕も重々わかってますし。そして、世界中、日本も、自分のふるさとである宮城、仙台も大変なことになっていることも分かりながら、複雑な思いでいながら、今ここにいます。それは、やはり試合を辞退したり、または試合に出るという決断をしたり、いろんな経験を踏まえた上で、今、僕ができることはここに立って、ここに演技を残していって、誰かの、誰かの何かしらの希望だったり、えー、何か心が動く瞬間だったり。本当に1秒でもいいんで。1秒に満たない瞬間でもいいんで。何かしら誰かの中に残ったりするようなものを、演技をすべきだなと思ってここにいます。凄く…何か難しい問題で言葉をうまく出すのが本当に大変なんですけれども。ただ、大変な状況はやっぱり震災の時と同じで、皆さんそれぞれ違うんだなっていうのを凄く今、痛感しています。お仕事の方で大変だと思われる方、そして、医療従事者の方は本当に普通以上の疲労だったり、精神的な苦痛だったり、いろいろなものがあると思いますし。僕らみたいにしっかり自粛しても平気だという人もいますし。自粛して疲れている方もたくさんいらっしゃいますし。本当にいろんなシチュエーションがあると思います。でも、僕は演技で何かを残すことが絶対できると思うので、ていうか、残したいので。何かしらの意味を、この国別対抗戦という場所をお借りして、プログラムを通して残していきたいなと思います」
――2大会ぶりにチームジャパンとして戦う。
「まずは最大限、チームに貢献するためにもしっかりと演技に集中して、普通の試合以上に自分を律して、いい演技をしたいと思っています。またショートに関しては、凄くこの世の中でも何か楽しめるようなプログラムになっていると思います。少しでも、えー、少しでも何か心からわき上がるものがあったらいいなと思って滑りたいと思います」
――4回転半はどうするか。
「まあ、そもそもこのスケジュールでさすがにアクセルに挑むのは無理かなということを感じています。実際に試合として、先ほども言ったように、普通の試合以上にいい演技をしなくてはいけないという意気込みを強く持っているので。だからこそ、僕の気持ち優先よりも、みんなの力になれる演技をしたいなとまずは思っています」
――葛藤を持ちながら出場した世界選手権を終えて感じたものは。
「え~、帰りになんですけど、凄く空港がガランとしていて。実際にそこで検査を受けたり、入国のいろんな手続きをしていただり。いろんなことをしている最中に、何か、結果について『おめでとうございます』とは言ってもらえなかったですけど、どれでも『演技を見て勇気をもらいました』とか、『これから頑張れます』とかそういった声をいただけたことが、何より自分へのご褒美というか報酬だったので。なんか、そういった演技が、本当に僕の演技は毎回毎回、全然違った意味を込めて、また違った気持ちで滑っているので。少しでも何か、また今回は今回ならではのものを滑りたいなという風に思います」
「しっかりと僕の役割をここで果たしたい」
――ゴルフの松山選手が優勝した、快挙からの刺激はあったか。
「実は、ちょっと生で見ていて。朝早かったんですけど、ちょっと生で見ていて。最後の制覇したところはちょっちとられなかったですけど、あの、9ホールくらいですかね、毎日見させていただいて応援させていただいていました。ほんとに僕自身、仙台の方で表彰していただいたり、宮城で表彰していただいたりする時にお会いしたことがあったんですけれども。羽生結弦としてじゃなくて、ほんとに仙台市民として宮城県民として凄く凄く誇らしいですし。何よりゴルフ界で日本人でマスターズを制覇するということがどれだけ大変かということをすごくすごく分かっているので。なんかおめでとうとか、すごいですねとかそういう言葉ではなく、なんか日本ゴルフ界にほんとに松山英樹さんという方がいたという証を残したんだなと思っています」
――競泳の池江選手も復活した。
「僕なんかは比べものにならないくらい苦しかったと思います。もちろん、他の選手たちも努力をしてきて、それでも報われなかったって思いを持っている人もいるかもしれません。ただ、僕は平昌オリンピックの時に結構重い捻挫していて練習できなかった期間たくさんありましたけど、でも、池江選手の『努力は報われるんだな』という言葉を聞いた時に、練習やトレーニングしてる時だけが努力じゃないんだなということを改めて感じました。池江選手だからこそ感じた苦痛だったり、悲しみだったり、なんか喪失感だったり、そういったものを感じた日々は絶対に努力というものにつながっていると思うので、ぜひ自信を持ってオリンピックに挑んで欲しいな、と。オリンピック経験した身から言わせていただきます。偉そうにすいません」
――隔離期間の練習はどんな状況だったのか。
「えっと、ホテルにずっといました。ホテルからリンクというものをただ往復する毎日で。それはいつもと変わらないのかもしれないですけど。あの~、うんと、自家用車でホテルからリンクに行って、で、練習が終わったらまた自家用車でリンクからホテルにという生活をしていました。えっと~、十分な練習ができたかと言われれば、そうではないというのが本音ですけれども、そうやって練習をさせていただける措置をとっていただけたことはホントに感謝していますし、そういった配慮の上で僕は今、滑れていると思うので、しっかりと僕の役割をここで果たしたいなと思っています。ありがとうございます」
「この大阪という地が今、大変なことになっているのは僕も重々わかってますし。そして、世界中、日本も、自分のふるさとである宮城、仙台も大変なことになっていることも分かりながら、複雑な思いでいながら、今ここにいます。
誰かの、誰かの何かしらの希望だったり、えー、何か心が動く瞬間だったり。本当に1秒でもいいんで。1秒に満たない瞬間でもいいんで。何かしら誰かの中に残ったりするようなものを、演技をすべきだなと思ってここにいます」
もうこの言葉がすべてなのよね。
どうか人の為ではなく、自分の為だけに滑ってほしいと願ってきたけれど、羽生結弦はそうじゃなかった。
やはり誰かの光であり続ける宿命を背負って、一人のスケーターとして、一人の人間として今、大阪のリンクに立っているのだなと。
だったら、その強い決意を全力でサポートするまで!
どんな理不尽な採点を受けようが、今コンディションがなかなか整わない中でも、それでもリンクに立ち、あたしたちに何かを残そうとしてくれている。
それが何なのかをしっかり最後まで見届けるわ!
しっかりとけじめとして14日間の隔離生活を終えたのに、海外の選手達はその「けじめ」をつけずに同じリンクに立っていることが、
あたしは納得がいかないし、スケーターにすべてここまで背負わせて、彼が複雑な思いをする苦悩まで追い込んだことが許せない。
スケ連や主催者ISUがきちんと、徹底した隔離措置を設けるのは当たり前!感染拡大を続ける大阪で、「今」有観客で世界国別対抗戦を何の為に開催するのかについてをきちんと説明すべきだったのよ!
美しい4ループも決めた!羽生結弦公式練習ドキュメント
世界国別対抗戦、羽生結弦の公式練習フリー「天と地と」曲かけ。
美美美な4Loと4T-3T👏
コンボの迫力凄いわ!https://t.co/QLnmQMyDmP↓曲かけ&曲かけ以外のリポート↓https://t.co/KPeJMUAJ51 pic.twitter.com/427tM2KkR9
— オネエ (@sulogac) April 14, 2021
【羽生結弦 2021年4月14日公式練習ドキュメント】
▽15:07 会場に到着、関係者と談笑する。
▽15:08 小走りで階段を下りながら会場に入る。
▽16:08 両手でプーさんのティッシュカバーを抱えながら、リンクサイドに姿を見せる。
▽16:10 公式練習スタート。左足でリンクイン。関係者がプーさんのティッシュカバーをフェンスに設置。
▽16:11 ゆっくりとスケーティング。
▽16:13 軽快にステップを刻む。
▽16:14 会場を見渡す。1回転でジャンプの確認に入る。
▽16:15 黒ジャージーを脱ぐ。3回転ループを跳ぶ。
▽16:16 3回転ルッツ―オイラー―3回転サルコーを跳ぶ。
▽16:17 ドリンクを口に含む。
▽16:18 トリプルアクセルを決める。
▽16:19 4回転トーループ―オイラー―3回転サルコーに成功。
▽16:20 4回転トーループ―3回転トーループは3回転の着氷がやや乱れる。
▽16:21 4回転サルコーはこらえて着氷。
▽16:22 4回転サルコーをクリーンに成功。
▽16:23 両手を腰に当ててゆっくりと滑る。
▽16:24 リンクを漂う。3回転ループを決める。
▽16:25 ドリンクを飲む。屈伸して再び滑り始める。
▽16:25 曲かけはフリー「天と地と」
▽16:26 4回転ループを決める。サルコーは2回転に。
▽16:27 トリプルアクセル―2回転トーループを成功、3回転ループで右手をつく。
▽16:28 トーループの4―3回転を決める。4回転トーループ―オイラー―3回転サルコーも成功。
▽16:29 トリプルアクセルの着氷はやや乱れる。その後、両手を腰に当てて滑る。苦笑いも。
▽16:30 曲かけ終了。4方向に礼。
▽16:31 ドリンクを口に含む。
▽16:33 4回転サルコーに成功。トーループの4―3回転も決める。
▽16:34 アクセルの回転が抜けて肩を落とす。踏み切り位置を確認。
▽16:35 ドリンクを口に含む。
▽16:36 トリプルアクセルを決める。
▽16:37 3回転フリップを跳ぶ。
▽16:38 自分と対話しながら滑る。トリプルアクセルの着氷が乱れる。
▽16:39 トリプルアクセルを決める。その後、リンクを漂う。
▽16:40 ドリンクを飲む。
▽16:41 アクセルの踏み切りを確認する。トリプルアクセル成功。
▽16:42 トリプルアクセル成功。
▽16:43 ゆっくりとスケーティング。ステップを確認。
▽16:44 トリプルアクセルを決める。ドリンクを口に含む。
▽16:45 トーループの4―3回転を決める。日本チームのブースから見守る日本スケート連盟の竹内洋輔フィギュア強化部長らが拍手。
▽16:46 4回転トーループは転倒。
▽16:48 4回転トーループを決める。
▽16:49 両手を腰に当て、思考を巡らせながら滑る。トリプルアクセル成功。
▽16:50 公式練習終了。4方向に礼。整氷の人にも礼をし、リンクの外へ。
▽16:51 リンクを後にする。
▽17:25 オンライン取材スタート。
▽17:38 オンライン取材終了。
▽17:51 会場を後にする。
4月15日スケジュール
8:30~9:40 | アイスダンス公式練習 |
9:50~11:00 | 女子シングル公式練習 |
11:10~12:20 | 男子シングル公式練習 |
12:30~13:40 | ペア公式練習 |
14:30~ | オープニングセレモニー |
15:05~15:59 | アイスダンスRD |
16:25~17:57 | 女子ショート |
18:25~19:50 | 男子ショート |
紀平梨花は最終12番滑走で、17:50から。
羽生結弦は10番滑走で19:38からスタートよ。
最後までお読み頂きありがとうございます。
いつもブログランキングバナーでの応援クリック、心から感謝しております。
日々の励みになっています。
愛のオネエサロン
今回、海外選手には2週間の「けじめ」が免除され、一方で日本選手が隔離を遂行したのは已むを得なかったと思います。もし海外選手にも隔離が義務付けられていたら、多くの国が出場を辞退し、試合そのものを開催できなかったのではないでしょううか。世界選手権も終了し、WTTは単なるお祭りイベントですから、そこまでして出場したいトップ選手はさほど多くないと思います。
また、海外選手がそういう扱いならば、日本選手にも隔離は本来は義務付けられていなかったのではないかと思います。しかしこの御時世、有名アスリートが海外遠征から帰国して隔離を実施しないとなると、国民からの非難は避けられません。選手自身の好感度の問題ですので、スケ連やISUや政府が隔離を免除するかどうかは関係ないでしょう。国民からの非難を避けるためには、自らの意思で隔離するしかなかった。羽生選手は羽田空港に帰国した際、メディアから質問されたわけでもないのに「今から隔離します」と自ら発言していました。国民にそう伝えておかないと、変な憶測を呼びかねないことを分かっていたからではないでしょうか。羽生選手を苦しめているのは、ISUやスケ連だけでなく、日本国民全体なのかもしれません。
オネエ様
今回はチームの為に(またまた自分より人の為なんですね) より良い演技をする…ってもうジャッジの面々を見たら「頑張らなくていいよ」って言いたくなります(泣) 4A? あーもったいなくてあんなジャッジに見せたくないわ。隔離期間の移動が自家用車…と言っているからご家族と会えていたのかな。良かったなぁ。
真面目に隔離期間を終えて尚気をつけますと言う羽生君。かたやはしゃぎっぶりがマスクの意味もないようなロシアチーム。これを見ると日本頑張れ!と思います(笑)でもなんと紀平さん腰痛か…アクセルも体調次第だと気の毒過ぎますね。
しかし世界で活躍できる若い選手たち。眩しいです! 羽生君 松山さん 池江さん 内村さん 大谷さん 小平さん 経験する痛み苦しみを乗り越える…練習よりすごい努力なのかも知れないですね。だからこそ感謝の気持も大きいのかも知れないと思いました。
オネエ様、こんにちは
自身の健康や大阪と仙台のことを踏まえると苦しいなかで、大会や興行にかかわる人達のことまで考えての国別・SOI出場だったというわけですね。確かにフィギュア界のアイコンだし日本を代表する選手ではあるけれども、ひとりの選手にそこまで背負わせていいんですかね…。ほんとISUとSOIの大馬鹿野郎!
それにしても、4Lo綺麗!4T+3Tすごいです☆ タイトな日程の中ですが調子が良さそうですね。ミーシンとプロコフィエワコーチ、そしてセメネンコ(セメネンコの右隣はランビ?)が羽生君のことガチで見に来てますね。ミーシン先生は素晴らしい選手の練習や試合を生で見ることが勉強になるというお考えなので、きっとセメネンコをそばに置いておいたんでしょう。セメネンコも羽生君リスペクトですし、こんなに近くで見ることができて勉強になったのでは。陸3Aの練習もコリヤダ君とセメネンコが見てましたしね。ワールドは緊張してたでしょうから、羽生君のいいところをしっかり吸収してもらえたらと思います。羽生君のような選手はそうは出てこないので、今回得たものを更に年下の選手につないでいってほしいです。